Dignitas CS:GO部門に所属するfribergのインタビューがVie Esportsより公開されています。

今年1月、DignitsはGeT_RiGhT、f0rest、Xizt、friberg、hallzerkといった2012年~2017年のNiP CS:GO部門の中心メンバーで構成されたプレイヤーと契約しCS:GO部門の設立を発表、コーチにはNiP最盛期をAWPerとして導いたFifflarenが就任しました。

Vie Esportsより公開されたインタビューでは、CS:Sourceでの思い出、プロになった経緯、Digntiasの結成秘話、eスポーツでプロを目指すプレイヤーへのアドバイスについて答えています。以下、インタビューより一部抜粋したコメントを引用します。


初めて出場したオフライン大会を覚えていますか?


私の初めてのオフライン大会はデンマークで行われた大会でした。確か2008年だったと思いますが、当時はまだ若く、出場は反対されていました。しかし、私はコペンハーゲンへエアマットレスを持ちバスで出向きました。

そこは安価なインターネットカフェで本当にPCしかおいてなく。私たちは隣の部屋の床で寝た記憶があります。現在のシーンとはかなり異なるでしょう。

しかし、その大会では優勝を勝ち取ったため、本当に良い思い出があります。大会のレベルは全体的に低く、規模もそれほど大きいものではありませんでしたが、本当に楽しく、チームメイトと共にコペンハーゲンで旅行をし、出会い、そして時間を楽しみました。



賞金はありましたか?


はい。確か5000デンマーククローネほどの賞金を受け取ったと思います。これは700ドル(約8万円)に相当します。実家に帰り、両親に「大会の出場を許してくれてありがとう。」と言い、1,000ドル相当のデンマーククローネを見せたことを覚えています。それが私のスタートであり、もっと多くの大会に出場したいと思いました。



その大会はCS:Sourceでしたか?


はい。



初めて始めたCounter StrikeはSourceでしたか?


はい。初めは友人の勧めでHalf-Life 2を購入しました。弟と私でゲームをプレイしていましたが、そのディスクにはCounter Strike: Sourceが入っていました。当時は2005年だったと思いますが、インストールした当初は何が何だか全く分かりませんでした。CS:Sを半年間ほどプレイしてましたが、半年でプレイ方法、ルールを覚えた程度でした。



CS1.6はプレイしましたか?


CS1.6も試してみましたが、CS:Sをプレイし、上達しようと思いました。



プロになった時のことを覚えていますか?


大規模な大会へ出場し始めた2009年だったと思います。より多くの大会へ出場するための費用をカバーしてくれる大きな組織と契約を結びました。当時のデンマークのCS:Sourceは規模も大きかったため、よく行っていました。

当時はまだ仕事や勉強をしていたため、明確に「プロになった」とは言えませんが、それがきっかけでCounter Strikeで何かを成し遂げようと思いました。



初めてフルタイムで契約したのはいつ頃でしょうか。


CS:GOがリリースされた2012年で、私がNiPに加入した時のことです。今でいうところの伝説的なチームを作り上げたのですが、その時から本当のプロになったと言ってもいいでしょう。



大会賞金に頼る必要はありませんでしたか?


私は2010年より普通の仕事をする社会人でした。アイルランドのダブリンに住んでおり、IBMで働いていました。そして、プロとして契約するチャンスを得たとき、私はYESと言わざるを得ませんでした。

Counter Strikeの競技シーンに参入することが本当に夢だったんです。やっとこのチャンスを得たときは、既に7年間ゲームに費やしており、その7年間で熱望していたことはプロとして活躍すること、それだけでした。

トップレベルで挑戦したいと本気で思っており、CS:Sourceではそのような機会を得られませんでした。CS1.6のプレイヤーがフルタイムで活動していることは知っていましたが、それは私にとって手の届かない夢のようなものでした。

そのため、オファーを受けたとき、上司に仕事を辞めることを伝えることはとても簡単な事でした。その日は本当にクールな1日になりました。



SourceからCS:GOへの移行は大変だったでしょうか?


CS:GOへの移行はCS1.6のプレイヤーにとってはハードルが高かったと思います。CS:GOはSourceエンジンを使っているため、キャラクターの動き、反動はCS:Sにかなり似ていると感じ、私にとって以降は簡単でした。

CS:GOがリリースされたときは、かなりプレイしました。ベータ版を手に入れた4~5ヶ月間はできる限りプレイしました。朝6時に出勤し、夕方6時に帰り、起きている間は1時間おきにCS:GOをプレイしました。それが私が行ったすべてのことで、それはチャンスだと感じていました。

もし、CS1.6のプレイヤーがCS:GOに流れてくるのであれば、それに備え出来る限り準備をしておきたいと思っていました。今思えば、CS:GOにかなり時間を費やしてよかったと思っています。



NiPでは5年間共に活動しましたね。


私はほぼ5年間同じメンバーとプレイしました。そして、2020年再び同じメンバーでチームを再結成しました。



再結成は誰のアイデアでしょうか?


このアイデアは私達とFifflarenのアイデアです。去年の夏、私がHeroicより脱退した時、Robin(Fifflaren)と話したことをよく覚えています。

私の契約は終了しており、契約の延長も考えていませんでした。当初の目標はスウェーデンのチームを作ることで、このメンバーになる予定はありませんでした。素直にこのメンバーを集めるのは無理だと思っていました。

スウェーデンの若い才能を集め、そこから成長させていこうというアイデアを考えていたのですが、他のメンバーと話を続ければ続けるほど、かつてのメンバーを再現できる可能性があることに気づきました。

最初は必死に獲得しようと動いていたf0restでしたが、最終的には彼自身から共にプレイしたいと言ってくれました。アイデアが固まってきた後、Dignitasに相談したところ、彼らはこのアイデアを気に入ってくれ、実現しました。



現在、数ヵ月共にプレイしていますが、どうですか?


1月から少しずつプレイを始めました。多くのチームを倒し、大会への出場権利を得ました。しかし、FLASHPOINTで問題が発生しました。3月に1ヵ月間、アメリカに滞在していたのですが、VISAの問題でhallzrrkがアメリカに連れていくことが出来ませんでした。

結局、スタンドインを起用することになった為、大きな痛手になりました。1ヶ月以上スタンドインを使いプレイしたため、それまでの流れを完全に崩してしまいました。それ以来、再スタートに向け努力しています。



チームを立ち上げた時に期待していたパフォーマンスは発揮できていますか?


チーム立ち上げ当初、それが簡単にはいかないことを誰もが頭に入れていました。たくさんの時間を費やし、ハードに練習する必要がありました。最初の数ヵ月間は大会で優勝を取ることは難しいと思っていましたが、正直なところ今よりもっと上にいると思っていました。

全てのマップで上手く立ち回ることに苦労しているし、一貫戦を保つことにもとても苦労しています。理論上で勝てるはずのチームにも負けてしまうことがあります。

今、私たちは流れをつかむために一生懸命練習に取り組んでいます。サーバーでただ練習するのではなく、オンラインで多くの大会をプレイするという別のアプローチを試しています。今の私たちに必要なのは自信を取り戻すことです。



オフラインであれば状況は変わっていたと思いますか?


私たちにとってはオフラインの方があっていると思います。自宅からオンラインでプレイするより、オフラインでプレイする方が遥かに快適です。状況がオフラインであった場合、もっと良い結果が得られたでしょう。

オンラインで試合をすることで得をするチーム、プレイヤーも勿論いると思います。オンラインとオフラインでプレイ環境はかなり異なります。



現在、常にオンラインでの試合ですが、メンタル面にも影響が出ると思いますか?


もちろんそのように感じています。常に同じ椅子、同じPC、同じ部屋でプレイしていると、確かに影響が出ます。

また、私たちはオフラインに慣れているため、オフラインの際の旅行、遊び、チームと一緒にいる時間は遥かに楽しいです。



残りのシーズンにどのような期待を持っていますか?


現在の問題を改善することが目標です。私たちはいつか大会でトロフィーを持ちあげたいと思っています。出来るだけ多くの大会に参加し、マッププールを増やし、そこから大会へのスポットを勝ち取りたいと考えています。

そう遠くは無いと思います。何故敗北しているのか、どのように改善できるかを確認する必要があります。これからも厳しい練習が必要だと思いますが、私たちの目標は間違いなく大会で優勝することです。



hallzerkとの体制は万全ですか?


はい。言語の壁も無く、マッププールも改善しています。私たちは練習の為にたくさんの大会に出場していますが、良い練習にはなる一方で負けることは決して楽しいことじゃありません。



これからeスポーツプレイヤーを目指す人へアドバイスはありますか?


Don’t put all your eggs in one basket.* CS:GOでプロを目指すことは本当に難しく、サッカーや他のスポーツで生計を立てる方がチャンスがあります。現在、多くの若いプレイヤーがシーンへ参戦していますが、フルタイムでプレイできるチームも多くはありません。

*全ての卵を1つのカゴに入れないでください。(何事も1つのことに集中してはいけない)

学校は絶対に辞めないでください、Counter Strikeを1日中プレイするために仕事を辞めないでください。本当に競技シーンで活躍したいなら、ずっとプレイを続ける必要はありません。実力があれば、それは時間の問題です。焦る必要は無いし、無理にやる必要もありません。



VALORANTへ移行するプレイヤーも多いですが、VALORANTには誰にでもプロになるチャンスがあると思いますか?


VALORANTは新しいゲームです。CS:GOは長い間遊ばれてきたゲームですが、VALORANTでは全く新しいキャリアを築くことが出来ます。もちろん、プレイヤーの層も小さいですが、プロになるにはまだ難しいでしょう。VALORANTでのキャリアについてはまだ賢く考える必要があります。



ファンに一言お願いします。


私たちを信じてくれてありがとうございます。私たちは一生懸命練習に取り組んでおり、皆さんが勝ってほしいと思っていると同様に勝ちたいと思っています。

皆さんが望んだ結果が得られなくとも、信頼を失わないでください。紀元前より続く大国ローマも1日では建てることはできませんでした。

6 コメント

  1. IBMで仕事してたってマジエリートじゃん

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  2. >本当に競技シーンで活躍したいなら、ずっとプレイを続ける必要はありません。実力があれば、それは時間の問題です。焦る必要は無いし、無理にやる必要もありません。

    やっぱりプロになる様な人間って初めっから飛び抜けてうまいんだろうか
    coldzeraだかboltz君だかも触ってすぐプロになれると思ったとか言ってたような

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    1. そんなことはないんじゃない?
      どんなに凄いプレイヤーでも勝てなかったり不調なときってのはあるからな
      けどその凄いプレイヤー達の本当にすごい所は常に貪欲であることだと思う
      s1mpleとかniko、coldとかはどんな場面でもずっとギラギラしてるイメージがあるんだよな

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    2. ニュアンスとしては仕事や学業捨ててまで練習やる必要は無いって話でしょ
      練習時間=実力ではないというのを答えてくれてる

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    3. たぶんboltzだね
      友達の家でCSプレイしてすぐに家の物売ってゲーミングPC一式揃えたって言ってた

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  3. 等号は成立しないけど相関はあるよね

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